精密進入
基礎知識
このレッスンでは、操縦士がPrecision Approach(精密機器アプローチ)に関する理解するための要素を紹介します。滑走路に対して横と垂直の両方向の誘導を行う精密アプローチは、Glide Slope(グライドスロープ)のおかげで、Non-Precision Approach(非精密アプローチ)よりも航空機を地表高度に近づける能力を持ちます。ILSシステムは、米国全体で使用されており、操縦士が進入復行を開始する前に200’ AGL以内に機体を誘導できるため、その機能を理解することが重要です。ILSは、ATCが割り当てたデフォルトのアプローチです(可能な場合)。
適切な計器進入基準
- ATIS(Automatic Terminal Information Service:航空交通情報サービス)は、その時点で稼働中のアプローチ情報を操縦士に提供する
- 複数稼働中である場合、ATCがアプローチを割り当てるまで、充分な予測が必要になる場合がある
- これは、天候、到着方向、NOTAMS、過去の経験に基づいている
- 複数稼働中である場合、ATCがアプローチを割り当てるまで、充分な予測が必要になる場合がある
- ATC(Air Traffic Control:航空交通管制)は、予測されるアプローチを操縦士に伝えることができる
- 操縦士は、それぞれの計器や規制の要求をいつでも満たすため、具体的なアプローチを要求でき、ATCはその要求に対応する可能性が高い
- 管制塔が無いUncontrolled Airport(非制御空港)に飛ぶ場合、乗務員は時折選択することができる
- 使用中のアプローチプレートを再確認し、割り当てられたアプローチと一致するブリーフィングを確認する
- 操縦士は、それぞれの計器や規制の要求をいつでも満たすため、具体的なアプローチを要求でき、ATCはその要求に対応する可能性が高い
アプローチ・チャートに関する関連情報
- FFIIMMMMS
- Fixes(ポイント)
- Frequencies(周波数)
- Inbound Course(進入コース)
- Identify(識別)
- Marker Beacons(マーカービーコン)
- Minimums(最小条件値)
- Minutes(時間・分)
- Missed Approach(進入復行)
- Security(安全)
ATCとの無線通信&クリアランス、指示&手順の遵守
- ATCの許可と指示に従う
- 明確な相互通信を確実に行うために、クリアランスに関する重要な情報を繰り返すこと
- 指示に従えない場合は、ATCに対して「Unable(不可)」と伝えること
- ATCは完璧ではない、彼らだって間違いをすることもある
- もしATCの指示を理解できない場合「Say again(もう一度)」と要求するか、確認を行うこと
機体の設定、対気速度&チェックリスト項目
各設定 (機体毎別):
Procedure Turn(Inbound / Outbound)、Localizerへの交差
- 対気速度:
- エンジン出力:
グライドスロープから½ 点上位に位置する
- 対気速度:
- エンジン出力:
- フラップ:
グライドスロープとの交差(FAF:Final Approach Fix)
- 対気速度:
- エンジン出力:
- ピッチ:
チェックリスト項目
- 着陸前チェックリスト
- LBBGUMPS
- ポイント到着時 (6 T’s)
- Turn(旋回)
- Time(タイマー設定)
- Twist(計器設定)
- Throttle(出力調整)
- Talk(通信)
- Track(トラッキング)
- アウターマーカー内 / FAF
- 安定したアプローチを維持すること!
チューニング、識別&地上/機体ナビゲーション装置の動作確認
(一般的な手順 – 自機のアビオニクスを確認すること)
- Navaidの周波数へチューニング
- 識別 & 確認
- Navのモールスコードの識別を聞く
- 万が一コード識別が聞こえない場合、そのNavは稼働していない
- Navのモールスコードの識別を聞く
- 機体のナビゲーション計器類がそのNavが稼働していない旨をフラッグで計器上に表示する
機体のアプローチカテゴリー
- 航空機進入カテゴリ - 着陸速度に基づく航空機のグループ。指定されていない場合は、最大着陸重量において1.3 V SO (着陸設定における最小定常飛行時の失速速度)
- 参照着陸速度 - 指定した着陸設定での飛行機の速度。着陸距離を決定する際に、高さ50’の高度を超えてから降りる点
カテゴリー
- A:速度が 91 knots未満
- B:速度が 91 knots以上かつ121 knots未満
- C:速度が121 knots以上かつ141 knots未満
- D:速度が141 knots以上かつ166 knots未満
- E :速度が166 knots以上
- 航空機はいずれか一つのアプローチカテゴリーに割り当てられる
- 操縦士はその時点よりも上のカテゴリーに当てはまるかどうかの責任がある
- もしアプローチの速度がアプローチプレートのカテゴリーで定められた速度よりも高い場合は、その上のカテゴリーで定められた速度を使用すること
- 最大許容重量を超えた状態、動作不良のフラップ、着氷状態での緊急帰投は上のカテゴリーが割り当てられる例である
- もしアプローチの速度がアプローチプレートのカテゴリーで定められた速度よりも高い場合は、その上のカテゴリーで定められた速度を使用すること
- 航空機は割り当てられたアプローチカテゴリーが定める最低速度より遅く飛行できない
- 操縦士はその時点よりも上のカテゴリーに当てはまるかどうかの責任がある
Circling Approach
- 通常のアプローチ速度より速い旋回進入では、大きな旋回進入領域を考慮する必要がある
- 公開された旋回進入の最小条件値は、適切な保護領域内でのみ障害物のクリアランスを確保し、アプローチカテゴリーに定められた速度に基づく
- 旋回領域の大きさは、飛行機のアプローチカテゴリーによって異なる
- 旋回が行われる区域には、最低300’の障害物クリアランスが設定されている
- 通常の操縦、降下速度で着陸のための降下が可能な位置に飛行機が辿り着くまで、旋回進入の最低高度より高い高度を維持すること
高度、対気速度&トラッキングの維持
- トリム、クロスチェック、調整の設定する
- 計器のスキャンを継続し、視界内にすべての計器をおさめる
- スキャンにアプローチチャートを含めるのを忘れないように
- 計器のスキャンを継続し、視界内にすべての計器をおさめる
- 「次に何をする必要があるのか」と常に自問すること
- 高度、飛行速度、トラックの先を考えて飛行すること
- どの点においても”6T”を使用すること
- 旋回(Turn),タイマー(Time),計器調整(Twist),出力調整(Throttle),通信(Talk),トラッキング(Track)
- これらの中で何が必要だ?
- 旋回(Turn),タイマー(Time),計器調整(Twist),出力調整(Throttle),通信(Talk),トラッキング(Track)
- Localizerの針を計器中央に保つ
- Localizerのコース維持を積極的に行う
- 風向きに合わせて調整をかける
- 機首方位のバグ(矢印)を使用して、目的のコースを維持できる方位にバグを設定する
- 方位バグの右/左に合わせて、コースのずれを修正する
- 機首方位のバグ(矢印)を使用して、目的のコースを維持できる方位にバグを設定する
- 風向きに合わせて調整をかける
- Localizerのコース維持を積極的に行う
- Glide Slope中心の場合は、約5度下方にピッチを修正し、グライドスロープが引き続き中央表示になるよう維持する
- グライドスロープの維持を積極的に行う
- ボールが上下に動き始めた場合は、その動きを止めるために少し調整を行う
- 地上速度が速くなるにつれ、降下率も増加する
- 地上速度が遅くなるにつれ、降下率も低下する
- グライドスロープの維持を積極的に行う
Straight In Approach, Circling Approach, Missed Approach(直線進入、旋回進入、進入復行)の決定
Straight In Approach
- 航空機装置、地上装置等に基づいて選択する
Circling Approach
- 滑走路閉鎖、気象状況または装備など必要によっては旋回進入を選択する
Missed Approach
- 進入復行が行われる主な理由は、必要な飛行視程が満たされていないか、滑走路周囲で視認できるはずの施設がDA(Decision Altitude)、DH(Decision Height)、MAP(Missed Approach Point)の点で存在しないからである
- DA、DH、またはMDA (Minimum Descent Altitude) から降下が開始されたら、必要な視程が失われた場合、または滑走路が見えなくなった場合は、進入復行を実行する必要がある
- 航空機は、通常の操縦を用いて、目的の滑走路上の着陸への降下を、通常速度で行うことができる位置になければならない
- また、何らかの理由により着陸操作が拒否された場合も要求される
- 滑走路上に人及び設備又は動物、不安定な進入など
- 進入復行のコースはMAPから始まり、指定されたポイントに達し、ホールディングパターンに入るまで続く
- ホールディングパターンが公開されていない限り
完成基準
- 操縦士は、支援なしで精密進入の設定、概要理解、実行が可能
よくある間違い
- 計器進入路図に関する情報に関する基本的な知識を有していない
- 誤った通信手順、またはATCのクリアランスまたは指示に従わない
- チェックリスト項目の実行に失敗した
- 基本的な計器飛行技術の不備
- MDA以下への不適切な下降
成功のポイント
以下の項目をレビューすること
- 適切な計器アプローチチャートの選択
- 選択したチャートに関する情報
- 地上·航空機航法装置の選定、チューニング、識別及び動作状況の決定
- ATCとの無線通信と、先方からのクリアランス、指示、手順の遵守
- 適切な航空機の設定、飛行速度、チェックリスト項目
- 発行済みのDH/DAおよび航空機進入カテゴリの視程基準に適用される調整
- 高度、飛行速度、および軌道の保守(該当する場合)
- 最終的なアプローチ中、適切な下降率を維持する
- 次の項目決定の際に考慮する必要がある要因:
- アプローチは、着陸まで直線で進むべき
- 着陸に旋回をすべき、または
- 進入復行を実行する必要がある
参考資料
- 14 CFR PART 91
- FAA-H-8083-9
- FAA-H-8083-15
- AIM
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