計器進入からの着陸

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ACS/PTS・オペレーション分野 FAA 計器飛行証明ー飛行機
計器進入の手順
該当する資格 計器飛行証明, CFII

基礎知識

このレッスンでは、計器進入から着陸へ移行するにあたり必要な情報を紹介します。操縦者は、それまで注視していた機内の計器から、機外の視覚を利用したアプローチに移行して機体を着陸させる必要があります。その際スムーズな移行が要求されます。

全般

  • Part91の要求に従い、飛行視程が標準のIAP(Instrument Approach Procedure:計器進入手順)で規定されている基準よりも低い場合、操縦士は着陸してはいけない
  • ATC(Air Traffic Control:航空交通管制)は現在の視程レポートを提供する
    • これは、卓越視程、滑走路視程値(RVV)、またはRVRの形式である場合がある
      • PV(Prevailing Visibility):水平の最大視程に対して、水平線/地平線の少なくとも半分か見えるのと同程度か、それ以上(連続しているとは限らない)
      • RVV(Runway Visibility Value):送信機によって特定の滑走路に対して測定される視程
      • RVR(Runway Visual Range):操縦士が進入端から滑走路を見下ろす水平距離を表す、標準較正に基づく計算装置から導出された値
        • ただし、操縦士のみが、飛行視程が着陸要件を満たしているかどうかを判断できる
        • 飛行視程が進入に対して規定された最小値を満たす場合、着陸まで続行することができる
        • 飛行視程がその最小値を満たさない場合操縦士は、報告された視程に関係なく、進入復行を実行する必要がある

有視界飛行への移行&維持

  • MDA/DA100~200’の高度において機外に最も注意を払い、滑走路を構成する少なくとも1つの装置が視界に入る必要がある
    • 進入灯系(Approach Light System)
    • 末端帯/末端帯標識/末端帯灯(Threshold / Threshold Markings / Threshold Lights)
    • 滑走路末端識別灯(REIL)
    • 進入角指示灯(VASI)
    • 接地帯/接地帯標識/接地帯灯(Touchdown Zone / Touchdown Zone Markings / Touchdown Zone Lights)
    • 滑走路/滑走路標識/滑走路灯(Runway / Runway Markings / Runway Lights)
  • 機器も視界に入っていることを確認する(機外の様子のみに集中しすぎない)
  • VASI/PAPIを使って有視界飛行に移行する
  • 計器を無視しないこと;ILS上では、ローカライザーとグライドスロープを維持すること

着陸のため安定したアプローチの維持

  • 安全運航に不可欠な話
  • アプローチの最終段階で、一定の進入速度、降下速度、降下勾配、及び着陸設定を維持することにより、アプローチ経路のプロセスを単純化すること
  • これは、アプローチ中に異常な兆候が存在する場合において、風の乱流状況の認識にも役立つ

ATC勧告への準拠

  • ATCが提供する勧告に従う
    • 特定飛行に対する勧告の影響を考慮し、乗客と自分の安全を確保するために必要な行動を取ること
  • NOTAM、風の乱流、後方乱気流、滑走路表面、制動条件などの勧告が含まれている
    • 自らに問いかけること:この飛行機はどのような影響を受けるか?飛行は計画通りに完了できるか?

適切なチェックリスト項目の遵守

  • 有視界飛行に移行したら、着陸前のチェックリストを完了すること
    • 赤、青、緑、白
  • 航空機が通常の進入速度を維持していることを確認すること
    • 必要に応じて、着陸用のフラップを加えていく

積極的な機体操作

  • 安全飛行には安定したアプローチが必要である
    • 積極的な機体制御がなければ、アプローチは安定せず、危険になる
  • 何らかの理由でそういった制御できない場合は、進入復行を実行すること
    • 天候やパイロットの仕事の過負荷、能力不足に関係なく
    • 復行したら、次に何をしたいかATCに報告すること
      • 再びアプローチを行う、別の代替空港へ移動など

完成基準

  • 操縦士は計器進入から有視界飛行による着陸への適切な移行が可能である

よくある間違い

  • 計器から有視界飛行状態への移行中、注意配分が未熟である
  • 必要なチェックリスト項目を完了できない
  • 最終的なアプローチを適切に計画し、実行できない
  • 風の乱流、後方乱気流、横風に対する不適切なテクニック
  • 完全な着陸操縦を行い、積極的な航空機制御を維持できない

成功のポイント

以下の項目をレビューする

  • 特定の環境、運用、気象要因の影響
  • 有視界飛行状態への移行と維持
  • NOTAM、風の乱流断、後方乱気流、滑走路表面、制動条件などのATC勧告への準拠
  • 適切なチェックリスト項目の完了
  • 積極的な航空機制御の維持の重要性

参考資料

  • 14 CFR PART 91
  • FAA-H-8083-9
  • FAA-H-8083-15
  • AIM
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