コックピット計器の動作確認
基礎知識
完全に計器に頼った状態で雲の中を飛行中に、計器の問題や故障を発見したくは無い物です。雲の中で問題を発見するより、まだ地上に居る地点で問題発見ができればもちろん最善です。 ここでは、飛行前の計器の正しい動作確認(通信機器、航法機器、その他の機器のチェック)方法を説明します。このセクションの最終目的は、コックピット内の計器のチェック法、およびその理由を理解します。
Communication Equipment(通信機器)
- IFR運航上での通信機器の故障は、航空法91.185 へのコンプライアンスを必要とする緊急事態に発展する可能性があります。
- 飛行前に無線アンテナの位置、安定性を確認する
- 飛行前にすべてのラジオを使用して正常動作をチェックする
- 必要に応じて「Radio Check(管制塔への送受信確認)」を要求する
- 地上でのトランスポンダーモードは、ALTITUDE Reporting Modeに設定する必要がある - AIM 4-1-20(3)
Navigation Equipment(航法機器)
VORs(Very High Frequency Omnidirectional Range:超短波全方向式無線標識)
- NAVアンテナの正しい位置と安定性を確認する
- 91.171において、IFR飛行の過去30日以内にVOR精度チェックを必要とする
- 日付、場所、エラー、パイロット署名を30日ごとに記録する必要があります。
DME(Distance Measuring Equipment:距離測定装置)
- 航空機に設置されている場合:VOR/DMEからの距離を記録
ILS(Instrument Landing System:計器着陸装置)
- LOCALIZERが空港にある場合は、Tune、Identify、および正しい表示がされているか確認
GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)
- IFR承認/認定済みであることを確認
- 適切な起動およびセルフテスト手順に従う
- RAIM (Receiver Autonomous Integrity Monitoring:受信機による完全性の自律的監視) の受信を確認
Magnetic Compass(方位磁針)
- 方位磁針内の液体が満タンである必要がある
- 磁針が自由に回る
- HDGを正しく(誘導路や滑走路のHDGで確認)表示する
Heading Indicator/Horizontal Situation Indicator (HSI)/Remote Magnetic Indicator (RMI)
- タクシー中に正しいHDGの表示を確認する
AI(Attitude Indicator:姿勢指示器)
- 内部のジャイロが安定するまで5分間待つ
- 水平線の位置が正い事を確認
- タクシー中のピッチまたはバンク表示は5度以下を確認
ALT(Altimeter:精密高度計)
- メンテナンスログブック内の記録を確認し、過去24か月以内に、スタティックシステムおよび高度計がチェックされているか確認する (91.411)
- Static Port(静圧孔)が開いていることを確認し、その周りがクリアであることを確認する
- 現在報告されている高度計の設定に調節する
- ALTの高度表示と、飛行エリアの地表高の差をエラーとして記録する
- 保守的で安全な飛行方法ー飛行中は、MDAまたはDHにALTエラーを追加する
- そのエラーが75フィートを超える場合、使用不可用。要修理対応
Turn-and-Slip Indicator / Turn Coordinator(旋回釣合計)
- タクシー中に地上旋回する際、計器内のボールが旋回方向に対して外側へ滞りなく動作するかを確認
- タクシー中に直進する際、計器内のボール、ならびに小型機体模型が水平を維持するかを確認
VSI(Vertical-Speed Indicator:昇降計)
- メンテナンスログブック内の記録を確認し、過去24か月以内に、スタティックシステム(および高度計)がチェックされているか確認 (91.411)
- 水平表示の確認
AI(Airspeed Indicator:対気速度計)
- メンテナンスログブック内の記録を確認し、過去24か月以内に、スタティックシステム(および高度計)がチェックされているかを確認 (91.411)
- ピトー管のヒート確認
- 離陸滑走中に適切に加速を表示する事を確認
OAT(Outside Air Temperature:外気温時計)
- 正しい温度表示がされているかどうか確認
Clock(機内時計)
- 正確な時刻を設定
- 正常に動作していることを確認
Pitot Heat(ピトー管電熱ヒーター)
- プリフライトチェック中に、ピットヒートをオンにして、適切な動作を確認する
EFD(Electronic Flight Instrument Display:グラスコックピット)
- 電源投入時に、機器が正しく表示され、CautionやWarningが正常に表示されていることを確認する
- 計器が故障した場合、非常に明瞭なエラー表示がされる
- 例:計器を横切る赤いX
- 常に、製造元の指示に従い、適切な動作確認をすること
Traffic / Terrain Awareness(地形認識警告システム)
- 製造元の要件と手順に基づき、これらのシステムへの電源投入時に、機器の適切な動作を確認すること
Auto Pilot(オートパイロット、自動操縦)
- 製造元の要件に基づいて、オートパイロットが正しく動作していることを確認する
- オートパイロットが暴走するのを防ぐために、オートパイロットを確実に切断/オフにできる事を確認する
完成基準
- 計器・機器の適切なプリフライトチェックを行う事ができる。
成功のポイント
以下の項目をレビューし、計器・機器の正常動作確認のやり方を理解する
- Communications Equipment.
- Navigation Equipment.
- Magnetic Compass.
- Heading Indicator / Horizontal Situation Indicator / Remote Magnetic Indicator.
- Attitude Indicator.
- Altimeter.
- Turn-And-Slip Indicator / Turn Coordinator.
- Vertical-Speed Indicator.
- Airspeed Indicator.
- Outside Air Temperature.
- Clock.
- Pitot Heat.
- Electronic Flight Instrument Display.
- Traffic Awareness/Warning/Avoidance System.
- Terrain Awareness / Warning / Alert System.
- Flight Management System (FMS).
参考資料
- 14 CFR PART 91
- FAA-H-8083-15
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