ジャイロ計器故障時の計器進入
基礎知識
このレッスンでは、計器が何らかの原因により部分的にしか表示されなくなった場合の飛行方法について紹介します。例えばジャイロ系の故障は、HI(Heading Indicator:機首方位計)、AI(Attitude Indicator:姿勢指示器)、およびTC(Turn Coordinator:旋回釣合計)を失う原因となります。これにより操縦士は、それら以外の部分的にまだ使用可能な計器を頼りに飛行を継続し、着陸のためのアプローチを行うことが求められます。
全般
- 機器の故障は、吸引装置または圧力源が何らかの原因で失われることによって発生する場合がある
- これらのポンプは時々故障し、姿勢指示器と方位計を使用不能にする
不正確または動作不良のジャイロ計器の認識
- 通常であれば警告表示または、姿勢指示器とその補助計器間の表所の矛盾によって識別される
- AIの表示をTU、VSI (Vertical Speed Indicator:昇降計) と合わせて直ちに比較する
- ピッチとバンクの情報をつかさどる部分についてはStatic Port(静圧)、Vacuum(吸引)、Electrical System(電気システム)を比較する
- 障害が発生したコンポーネントを特定し、残った計器を使用して操縦を維持する
ATC(Air Traffic Control:航空交通管制)の認識 – §91.187
- ATCに連絡を取り、残った計器の状態で飛行が続行可能であることを報告する
- ジャイロ計器が使用不能であることを報告する
- VFR状況下で飛行を続ける(修理が可能な付近の空港まで)
- IFR状況下の場合、VFR状況のエリアまで誘導をリクエストする
- VFR状況に到達できない場合は、ATCの誘導によって最適なアプローチを選択/実行する(可能である場合)
全表示の計器が Partial Panel(部分表示)になった場合の移行
その移行を素早く行うことが重要
- 機能停止した姿勢指示器と方位計は、混乱した操縦士が不適切な操作入力を行ってしまい、異常な姿勢での空間識失調を引き起こす可能性がある
- 対処法は、それら機能停止した計器の表示を無視すること
- 可能であれば、それらを見えないように隠す
- 対処法は、それら機能停止した計器の表示を無視すること
部分表示された計器の目視スキャンを直ちに行う
- TCを(主にバンク)把握するために使用し、ボールを中央に維持することで主翼を水平に保つよう操作する
- ALT(Altimeter:高度計)を(主にピッチ)把握するために使用し、VSI、ASI(Air Speed Indicator:対気速度計)とともに確認して機首を水平に維持する
- MC(Magnetic Compass:方位磁石)を機首方位把握のためしようし、ナビゲーションを行う
- 時間計測による旋回
- MCに基づく旋回
完成基準
- 操縦士が、IFR飛行のあらゆる段階で、ジャイロ機器を使わずに飛行を適切に行うことができる。
よくある間違い
- 動作不良または不正確な計器類の表示への認識発見が遅い
- ATCに状況を報告できない
- 計器の全表示状態から部分的状態への適切な移行に失敗する
成功のポイント
- 以下の項目を確認すること
- 不正確、または動作不良を起こした主な計器類の認識をした際の、ATCへの報告について
- 航空機がATCからのクリアランスに適合しない場合、又は飛行を続行できるか否かの、ATCへの報告について
- 緊急時のおけるナビゲーション機器活用と、主な計器類を使用せず非精確アプローチを行うことの重要性について
参考資料
- 14 CFR PART 91
- FAA-H-8083-9
- FAA-H-8083-15
- AIM
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