インストラクターの責任とプロ意識
基礎知識
このレッスンでは、飛行教官の特徴と責任に関連する要素を紹介します。教官の責任範囲を説明し、教官がプロの印象と行動を高めるための方法を説明します。教え方を知るだけでなく、博識で専門的な印象の良い航空教官が必要です。
航空教官の責任
訓練生の学習をサポート
- 学習は楽しくて面白いべきだ
- 訓練生に対して基準と測定が必要
- 訓練生は自身の成長を見る必要がある
充分な指導を提供する
- 各学生の個性、考え、能力を慎重かつ正確に分析する
- 同じ教え方を行っても、各訓練生に対しておしなべて同じような効き目は無い
- 訓練生のタイプを見誤って分析すると、指導が目的の結果を生み出さない場合がある
- 落ち込みや自信の欠如により進歩が遅い訓練生には、通常の学習目標よりも達成が容易なサブ目標を割り当てる必要がある
- 複雑な訓練は分解することができ、それら各要素を練習し、最終的に全体のコントロールを行うことができる
- 自信と能力が得られれば、進歩が正常になるまで、難易度のあるタスクを増やしていくべき
- 学習速度の速い者は、誤りが少ないので、訂正は重要ではないと考える場合がある
- この過信により、パフォーマンスが低下する可能性がある
- こういう訓練生に対しては、常に高い要求水準を割り当てる
- 個々人は己の誤りを知ることで学ぶ
- 欠陥は決して発明すべきものではない
パフォーマンスの基準
- 標準以下の成績にもかかわらず訓練生をパス扱いしたり、必要な知識を十分に学ばない場合、教師は適切な指導を行っていないと言える
- 訓練生を満足させるために低い基準を受け入れても、訓練生と教官の関係性は改善されない
- 熱心な訓練生は、公平に、または一貫して適用される合理的な基準に憤慨しない
ポジティブであることを強調する
- ポジティブな姿勢を強調すること
- 教官の行動や態度、指導方法が生徒のポジティブ・ネガティブな印象の形成に貢献する
- 成功は、肯定的な航空イメージを生み出せるか否かの指導力次第である
- 合理的な努力が為されるように、指導は最も有利な条件で行うべきである
訓練生のフラストレーションを最小にする
- 訓練生の意欲を引き出す
- やらされて嫌々学習するより、自発的な学習する方がより吸収できる
- 訓練生は、教訓の利点や目的を見れば、楽しみや努力が増える
訓練生に情報を与え続ける
- 訓練生は、何が期待され、何が起こるのか分からないと不安に感じる
- 訓練生に「期待されるもの」と「見返りに期待できるもの」を伝える
- 次の方法で訓練生に通知する:
- 訓練コースの概要を説明し、進捗状況を報告し、試験、課題、その他の要件を適切に通知する
- 必要に応じて費用の話をする
訓練生を個別の人間としてアプローチする
- グループ内の誰もが、考慮すべき個性を持っている
場合によってはクレジット(部分点)をあげる
- 通常、教官からの称賛/クレジットは十分な報酬であり、より良い成果を上げるやる気を与える
- 賞賛は配当を支払うが、あまりに自由に与えられると価値がなくなってしまう
論理的な批評を行う
- 間違いや失敗を特定することが重要です
- エラーに関する説明を受け、その修正方法を教えられれば、訓練生は進捗を得ることができます
一貫的であること
- 訓練生は、教官が何を求めているのかに興味を持っています
- 訓練生の混乱を避けるため、教官の考え方と行動は一貫していなければならない
よく準備してあること(準備しすぎくらいがちょうどいい)
- 訓練生は多額の訓練費用を支払っており、ならびに教官に対してよく準備が為されていることを期待している
飛行教官の責任
飛行訓練生の精神的な障壁
- 負の要因を無視しないこと
- 小型航空機自体への恐怖
- 奇妙なノイズ
- Gによる影響/乗り物酔い
訓練生の能力を把握する
- 飛行教官は、単独う作業に関し、指導と自制を行う責任を有する
- 訓練生がソロに出られるか否かについての評価判断を下せる唯一の人物は教官なの、これは非常に重要な責任である
- ソロ飛行へのサインをする前に、訓練生は一貫した能力を発揮して演習を行うべきである
- 訓練生は、起こり得る一般的な問題にも対応できる能力を持つべき
- 「特に重点を置く分野」に対し、適切な飛行および地上指導を行うこと
- 訓練、認定、安全性に関する手順を最新の状態にする
- 現在の情報ライブラリの管理を行うこと
プロ意識
個人の性格
- 誠実さ
- 率直に正直になること
- 無関係な指導や、自身の不十分な点を煙に巻いて隠そうとしないこと
- 教え方は、教官資格を持つエキスパートとして受け入れられることに基づく
訓練生を受け入れる
- 教官は、すべての障害や問題を含め、すべて訓練生をそのまま受け入れる必要がある
- いかなる事情があっても、教官は訓練生を傷つけるようなことをすべきではない
- 嘲笑や支持ではなく受け入れることが、反抗心を芽生えさせるよりも学びを促す
個人の見え方&習慣
- 教官はきちんと清潔で、適切な服装をすることが期待される
- 服装はプロとして見られるのものにすべき
- 個人の習慣は、プロとしてのイメージに大きな影響を与える
- 共通する礼儀を守ることが、恐らく最も重要なことだ
- 失礼で無分別で不注意な教官は誰の尊敬も受けられない
- 身体を清潔にすることも大切である
- 共通する礼儀を守ることが、恐らく最も重要なことだ
振る舞い
- 態度と行動は、プロのイメージに大きく貢献する
- 穏やかで思慮深く、規律正しく振る舞い、陰鬱なものを出さないよう控える
- 教育は、落ち着いて、気持ちよく、思慮深く、訓練生を安心させる方法で行うのが一番だ
- 教官は常に、この問題に対する能力と、訓練生の幸福に対する真の関心を描かなければならない
正しい言葉遣い
- プロの教官は、普通によどみなく話し、ポジティブかつ説明的であり、また冒涜的な言葉を使わない
訓練生の能力評価
実践能力
- 評価では、単なる全体的な成果ではなく、工程や手順に関する要素への訓練生の熟達度が考慮されるべき
- 飛行中の能力の評価は、定められた性能の基準に基づかなければならない
- これらの基準は、訓練生がこれまでの経験を適用できるように修正する必要がある
訓練生に情報を与え続ける事
- 訓練生を最新の進捗状態に保ちつつ、状況に合わせる
- 進捗をレポートとして書く(記録を残す)
- ミスと修正方法を丁寧に指摘する
- 訓練生に進捗を知らせておくことが大事である
- 謝りを説明する際には、ミスが生じたと思われる要素を指摘する
- 可能な場合は、適切な修正措置を提案すること
訓練生のミスを修正
- 訓練生にあえてミスをさせ、自分で脱出させた方が良い(安全が許す限り)
- 手順が正しく実行されても、完全には理解が為されていない場合は、変更する必要がある
- または、他の操作と組み合わせるか、同じ要素を別の操作に盛り込んで適用する
航空教官&試験
学科試験
- 訓練生は、いくつかの知識テストを受験するための承認のサインを貰う必要がある
- AC 61-65 (サイン用)
- 教官は、不十分な指導に対して説明責任を負う
- 追加の指導と、書面による再承認のための署名ならびにテストを行う必要がある
実地試験
- 推薦状に署名することは、教官に対して重大な責任が課される
- 訓練生は、必要な知識と技能レベルを徹底的に示すべきである
- このデモは、ACSに示された完全な手順/基準未満でないこと
- 訓練生の準備が整っていない場合、教官は成績不振に対して論理的に説明責任を負う
- 受験者は、認定資格の証拠として推薦に頼る
- 記録を保管すること – 準備ができていない人にサインオフしない
- これは訓練生および教官の記録としては良くない
- 飛行教官による承認サイン(AC 61-65)
- 操縦訓練生は、ソロ飛行の承認を受ける前に規制要件を満たしていないと、パフォーマンスが著しく低下し、果ては教官が責任を問われる
- これも訓練生からの不信につながる
- その他の承認のサインも必要である
- フライトレビュー、IPC、追加評価、実地試験への前提条件
- すべてのサインは記録として保持する必要がある
追加訓練の承認サイン(AC 61-98)
- フライトレビュー
- これはテストやチェックではなく、知識やスキルの熟練を評価するための指導である
- 特定の目標と基準に基づく必要がある
- 保有する証明書/レーティングに適した完全なチェックアウトを含める必要がある
- 始める前に、目標と基準について完全合意する
- 訓練が進むにつれて、目標達成に向けた進捗状況を操縦士に知らせ続ける
INSTRUMENT PROFICIENCY CHECKS:計器飛行の熟練度チェック
- 関連する操作とエラーの主な参照基準として、計器飛行訓練のACSを使用すること
機体チェックアウト/移行(ハイパフォーマンス、尾輪機、高高度訓練)
- これを行うことで、将来の乗客の安全に関して大きな責任を負うことになる
- すべてのチェックアウトは、ACSに示されたパフォーマンス標準に従って行う必要がある
- 現在飛行機に乗っていない状態の操縦士をチェックアウトしないこと
- 操縦士のログブックにチェックアウトの正確な範囲を記録すること
- 不十分な場合は、操縦士へ十分に報告し、さらに指示を出す
専門訓練
- 専門の航空教官は、自己の資格や能力に満足せず、自己の資格、有効性、訓練生に提供する内容を改善する方法に常に注意を払っている
- 教官は、指導を興味深くかつ最新の状態にするために、新しい資料を定期的に提供する必要があある
- 現在の航空出版物に何が書かれているかについて十分な情報を得ること
継続的な教育
- 知識とスキルを継続的に更新
- 政府
- FAAセミナー、記事、規制、交流など
- 操縦士に対する熟達度賞プログラム
- 金印がついた飛行証明書
- 教育/研修機関
- コミュニティカレッジや専門学校などの授業に参加する
- 商業団体への参加
- 訓練資料
- 訓練コース
- 業界団体
- 記事、出版物、訓練プログラム
- 教材のソース
- 現在の航空出版物へのアクセスについて管理
- 規制、AIM、PTS、ACなど
- 商用手帳、雑誌、技術雑誌
完成基準
本レッスンの各項目についてレビューを行い、適宜質問をすること。
本レッスンの教官訓練生は、指導に関連する責任と、プロの教官であることに関連する特徴を理解しています。
成功のポイント
- 航空教官の責任について
- 訓練生の学習支援について
- 適切な指示を与えることにについて
- パフォーマンスの基準
- 訓練生の欲求不満を最小限に抑える
- 飛行教官の責任について
- 飛行中の訓練生への生理的障害について
- 訓練生の能力評価について
- プロ意識
- 訓練生の能力評価
- 航空教官と試験
- 専門訓練
参考資料
- FAA-H-8083-9
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