飛行ログブックへの記入と、証明書の承認
基礎知識
本レッスンでは、ログブックや証明の書き方に関連する要素を紹介します。これらは、訓練生のログブックにかならず教官が記載する必要があるもので、証明はさまざまな状況に対して要求されます。教官は、訓練生を喜ばせるためだけでなく、FAR(法律)に従うために、記載内容を整然と保つための要件を理解することが重要です。
ログブックへの記入 (61.189)
- 飛行教官は、教官が飛行訓練や地上訓練を行った各訓練生のログブックに署名しなければならない
ログブック記入の際に必ず含める項目
・日付 ・機体番号
・機体モデル型式 ・経験種類 (単独、機長、その他)
・総合飛行時間 ・飛行状況 (日中、夜間、計器飛行、その他)
・離発着の場所
訓練生への署名(適切なログブックへの記入を含む)
- 訓練生が、単独/単独クロスカントリー飛行のため、ログブックにCFIの承認を得る必要がある
- 訓練生が初めてソロを行う前に、飛行機のモデルや型式ごとに、ログブックへの署名が必要である
- 訓練生の初回単独クロスカントリー飛行前にもログブックへの署名が必要である
- この署名は航空機カテゴリ用である(メーカーとモデルに、というわけではない)
- FAR 61.87 :訓練生は、以下の署名を受けていない限りは、単独飛行を行ってはならない
- 特定のメーカー及びモデルの航空機に対して、飛行を許可する飛行教官によるログブックへの署名
- FAR 61.93 :訓練生は、訓練を行った認定飛行教官からの単独クロスカントリー飛行許可の署名を受けること。また航空機の特定の種類の飛行に関する署名を、訓練生自身のログブックに記録されている必要がある
- 訓練生の初回単独クロスカントリー飛行前にもログブックへの署名が必要である
STUDENT PILOT ENDORSEMENTS (AC61-65Gに記載の例)
| SOLO FLIGHT ENDORSEMENTS 単独飛行承認 |
X-C ENDORSEMENTS クロスカントリー承認 |
CLASS B ENDORSEMENTS ClassB空域承認 |
| Presolo Aeronautical Knowledge - 61.87(b) 単独前航空知識 |
Initial Solo XC Flight – 61.93(c)(1) 最初の単独クロスカントリー飛行 |
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| Presolo Flight Training – 61.87(c) 単独前飛行訓練 |
Solo XC Flight – 61.93(c)(2) 単独クロスカントリー飛行 |
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| Presolo Flight Training at Night – 61.87(c) & (o) (only if soloing at night) 単独前夜間飛行訓練(もし単独夜間飛行を行う場合のみ) |
Repeated Solo XCs not > 50 nm from the departure – 61.93(b)(2) 出発地から50NM範囲以内の単独クロスカントリー飛行の繰り返し |
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| Solo Flight (each additional 90-day period) – 61.87(p) 単独飛行(毎90日間) |
Solo Flight in Class B Airspace – 61.95(a) ClassB空域における単独飛行 |
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| Solo T/Os & LDGs at an Airport within 25 nm – 61.93(b)(1) 25NM範囲内の空港における単独離着陸 |
Solo Flight, to/from/at a Class B airport – 61.95(a) & 91.131(b)(1) Class B空港への/からの単独飛行 |
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実技試験への推薦に対する準備
- 各受験者は、認定教官からの承認を受け、試験の申請2カ月前以内に実技試験に備えて必要な飛行時間・訓練を受け、記録したことを証明し、実技試験に備えること。
- すべての受験者は、Part61で定められた、必要な認証を求める航空機のカテゴリ、クラス、タイプレーティング、または証明に紐づけれらた特権に関して指定する必要がある
- 教官と受験者は、IACRA Rating Applicationをオンラインで完了する必要がある(https://iacra.faa.gov)
- または、教官/受験者が記入し、フォーム8710-1に署名する必要がある
- これを実験試験で試験官に渡す
- ほとんどの試験官はこの方法を使用しなくなり、IACRAが好まれる
- 特定の場合を除き,受験者は少なくとも現在の第3種航空身体検査証明を保有しなければならない
実技試験の再受験
- 再試験を申請する受験者は、必要な研修が行われ、実技試験の準備が整ったことを示す署名を受け取り、もう一度提出しなければならない - 61.49(a)(b)
- 実技試験では、結果の可否に関わらず、その試験に対して用意された署名のみが効力を持つ(つまりひとつの署名を何度も使いまわすことができない)
- 再試験のたびに、教官による推薦文が必要になる
PRACTICAL TEST ENDORSEMENTS
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SPORT PILOT |
FLIGHT INSTRUCTORS (W/O SPORT RATING) |
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Knowledge Test-61.307(a) |
FOI Knowledge Test-61.183(d), 61.185(a)(1) |
| Practical Test-61.307(b) 実技試験 |
Practical Test-61.183(g), 61.187(a)&(b) |
| RECREATIONAL PILOT |
Spin Training-61.183(i)(1) |
| Knowledge Test-61.35(a)(1), 61.96(b)(3), 61.97(b) 学科試験 |
CFI Practical Test-61.183(g), 61.187(a)&(b)(7 |
| Practical Test-61.96(b)(5), 61.98(a)&(b), 61.99 実技試験 |
FLIGHT INSTRUCTORS (WITH SPORT RATING) |
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PRIVATE PILOT |
FOI Knowledge Test-61.405(a)(1) 教育基礎 (FOI) 学科試験 |
| Knowledge Test-61.35(a)(1), 61.103(d), 61.105 学科試験 |
Sport Pilot Knowledge Test- 61.35(a)(1), 61.405(a) スポーツパイロット学科試験 |
| Practical Test-61.103(f), 61.107(b), 61.109 実技試験 |
Practical Test-61.409, 61.411 実技試験 |
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INSTRUMENT RATING (CFII IS REQUIRED) |
Spin Training-61.405(b)(1)(ii) スピントレーニング |
| Knowledge Test-61.35(a)(1), 61.65(a)&(b) 学科試験 |
ADDITIONAL QUALIFICATIONS |
| Practical Test-61.65(a)(6) 実技試験 |
Additional Aircraft Rating (Not ATP)- 61.63(b) or © 追加の航空機レーティング |
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COMMERCIAL PILOT |
Additional Aircraft Rating (ATP)- 61.157(b)(1) 追加の航空機レーティング |
| Knowledge Test-61.35(a)(1), 61.123(c), 61.125 学科試験 |
Type Rating Only (Not ATP)-61.63(d)(2) & (3) 航空機レーティングのみ(ATPではない) |
| Practical Test-61.123(e), 61.127, 61.129 実技試験 |
Type Rating Only (ATP)-61.157(b)(2) 航空機レーティングのみ(ATP) |
| 学科試験に失敗した場合は、コンピュータテストレポートの下部にある空欄に承認サインをする。ただし実技試験を受けるたびに、8710様式の裏面にある教官推薦用の空欄に承認サインを受けなければならない。受験者は、追加指示及び教官の推薦を受けた後に、実技又は学科試験を受けることができる。 | Type Rating & Category/Class Rating - 61.63(d)(2) & (3) 航空機レーティング&カテゴリー/クラスレーティング |
| Practical Test Prerequisites Completion-61.39(a)(6) 実技試験の事前要求を満たす |
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| * Retesting for Knowledge/Practical- 61.49 学科及び実技試験の再試験 |
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| Home Study Curriculum-61.35(a)(1) 自習カリキュラム |
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| Ground Instructor Experience Requirements - 61.217(b) 地上座学教官の要求 |
フライトレビューの署名
- フライトレビューが充分に完了した後、教官は操縦士のログブックに署名する必要がある
- Flight Review Endorsement- 61.56(a) & (c) (訳:フライトレビューの承認)
- 署名文についてはAC 61-65Gを参考にする
- Flight Review Endorsement- 61.56(a) & (c) (訳:フライトレビューの承認)
計器飛行習熟チェック(IPC:INSTRUMENT PROFICIENCY CHECKS)
- 計器飛行証明を所持している操縦士に対してIPCを行うにはCFI-I証明が必要
- IPCが満足のいく形で完成したら、教官は操縦士のログブックに署名をしなければならない
- Instrument Proficiency Check Endorsement - 61.57(d)(訳:計器習熟度チェックの署名)
- 署名文についてはAC 61-65Gを参照できる
- フライトレビューやIPCで不十分なパフォーマンスについて言及する記載は不要
- その後の訓練指導のためにログブックへの記入を行う必要がある
飛行教官による記録保持 (FAR 61.189)
- 飛行教官は、以下の内容をログブックまたは別の書類に記録付して保管する必要がある
- 教官が単独飛行の特権に署名したログブック、又は操縦訓練生の証明書、そしてその署名の日付
- 学科試験又は実技試験に対して教官が承認した各受験者の氏名及び記録には、試験の種類、日付及び結果も記載すること
- 教官は、少なくともこれら必要な記録をを3年間保持しなければならない
完成基準
訓練生は、ログブックの記載、また実技試験の準備に何が必要か、飛行レビューの証明や飛行教官の記録要件を理解しています。
成功のポイント
本レッスンの各項目をレビューすること
状況に応じて署名とログブックの要件を知ることが重要で、受験者にテストを受けさせる前に、教官は何が必要かを把握することです。
1.行われた訓練指導に対して必要なログブックの記入
2.操縦訓練生に必要なログブックの記入
3.操縦士実技試験に向けた推薦文の用意、次に該当するログブックの記入項目も含む
b.追加の操縦士証明
c.追加の機体証明
4.必要なFAAフライトレビューを満足のいく形で完了するために、操縦士はログブックへの承認が必要となる
5.飛行教官が保持する必要のある記録