離陸前の確認

基礎知識

このレッスンでは、離陸前チェックに関連する要素を紹介し、メーカーのPOHで必要に応じてチェックを実行できるようになります。離陸した後ではなく、地上で問題が発生していることを発見する方が常に良いです！離陸前チェックは、飛行前にエンジン、制御装置、システム、計器、航空電子機器をチェックするための体系的な手順です。この最終チェックにより、離陸前に機体が安全な飛行の準備ができていることを確認できます。

温度＆圧力

• 離陸前チェックは、通常、離陸滑走路の近くの位置（通常は指定されたランナップエリア）までタキシングした後に実行される
  • 潤滑と内部エンジンのクリアランスを確保しつつ、最低動作温度まで機械を暖める時間を確保する
    • 油温は最低値に達していなければならない
• すべてのエンジン機器を定期的にスキャンして、ランナップとテイクオフに適していることを確認すること

機体配置

• 地表に破片等ないしっかりした路面に航空機を配置する（破片はプロペラと尾を損傷する可能性があるため）
• 過熱を防ぎ、より正確な指示を得るために、航空機を風に向けて配置する
  • ランナップエリアの構成や他の航空機との位置関係が原因でこれが不可能な場合がある、必要に応じて調整すること
• 配置後、機体を少し前に動かして前輪をまっすぐにする
  • 助走時に前輪にかなりのストレスがかかるため
• よくある間違い - 飛行機の不適切な配置
  • 背後にあるものを他の航空機、建物などにブラスト（プロペラ後流）を当てないようにすること
    • 必ず破片のないしっかりした表面の風に航空機を配置すること

注意分配

• 注意は機内と機外で分けなければならない
  • ブレーキが滑った場合、またはつま先のブレーキ入力が適切でない場合、気付かないうちに機体が前進してしまう可能性がある
• 頭を下げたまま長時間（チェックリストなど）経過すると、意図しない動きが発生する可能性がある
  • これ自身や他人に危険を及ぼす可能性がある

チェックリスト

• 製造元が提供する離陸前チェックリストは、適切なチェックを確実にするために使用する必要がある
  • チェックリストに従って、項目ごとに確認（読み取りと実行方法）
• 飛行機のパフォーマンスに対しては批判的な態度で臨み、POHのガイドラインを満たしているかどうかを判断する
  • 許容できないレベルのパフォーマンスを受け入れないこと
• よくある間違い - 飛行制御の不適切なチェック
  • 適切な位置/動きのコントロールを視覚的に確認する
  • コントロールを全範囲の位置で自由に移動します（四角形は適切な移動パターンです）
• よくある間違い - 適切なチェックリストを適切に使用できない
  • 製造業者のチェックリストは、すべてのアイテムが論理的な順序で完成およびチェックされていることを確認する
  • 己の記憶のみをたよりにすることなく、常にチェックリストを用いて行動のバックアップとすること
    • チェックリストがないと遅かれ早かれ間違いをおかしてしまう

Go / No-Go の判断

• 機長は、飛行機が安全な飛行のための状態にあるかどうかを決定する責任がある
  • チェックリストのすべてが理屈に基づいてチェックされていることに注意すること
    • それらの不一致があればそこで一旦停止し、その影響に注意を払うこと
• 疑いがある場合は、ランプに戻ってさらに原因を調査する
• よくある間違い - エンジン限界性能の不適切な受け入れ
  • とにかく安全第一。限界性能は危険な状態につながる可能性がある
  • 時間までにフライトを完了する必要があるというようなタイムプレッシャーを感じないようにすること

出発前ブリーフィング

• 離陸前に、パフォーマンス速度、予想離陸距離、緊急手順を確認すること
  • VR、VX、VY - 対気速度を声に出して確認する
• 例：「滑走路21Lの離陸の場合、5,500の滑走路がありますが、パフォーマンスでは今日1,100が必要である」
  • 滑走路における機体性能が正しく発揮されることを確認し、また滑走路が機体パフォーマンスを阻害されるような状態に変わっていないことを確認する
• 緊急時 - 離陸滑走中にエンジンを失った場合は、スロットルを閉じ、ラダー/ブレーキで制御を維持すること
  • 離陸直後にエンジンを失った場合は、滑走路の残距離が利用可能な場合、着陸を行う
  • 1,000'AGL超の高度においてエンジンを失った場合は滑走路に戻り、それ以外の場合は直進を試みること
• よくある間違い - 離陸および緊急手順の確認に失敗した場合の危険性について
  • これにより、発生する可能性のある緊急事態に備えることができ、全員の状況認識が共有される
• 緊急時の計画を常に持っている
  • 200'AGL程度の高度においてエンジンが停止したときはじめて、緊急時の計画を立てようとしないこと

離陸エリアに一切の危険が無いことを保証

• 航空機、車両、人、家畜、野生生物などがいないことを保証するために、エリアを視覚的に確認すること
• 非管制空港においては、CTAFで意思を発表し、パターンの方向に360度旋回させる
• 非管制空港では無線通信は必要なく、パターンで航空機を常にモニターすること

誤進入の回避

• 移動する前に、左、右、中央エリアがクリアであることを確認する
  • ちょうどタキシングのように、他の航空機との位置関係を把握すること
• 他交通との分離は管制空港においてはATCの役割ではあるが、彼らの”責任”ではない
  • そのため操縦士は常に周囲状況を目で見て回避する責任がある
• 適切な周波数を監視する（CTAF / Ground）
• すべてのクリアランスを繰り返し、ホールドショートラインをクリアランス無しで越えないこと
• 疑問がある場合は、トラフィックがなくなるまで待つ
• 離陸位置へタキシングする前にファイナルアプローチに他機がいないことを確認する
  • 安全を確保し、機体を危険な状態に置かないこと
• よくある間違い - 誤進入を回避し、離陸位置に移動する前に他交通との衝突がないことを保証する失敗
  • 交通と侵入を避けるのはPIC（機長）の責任である
  • 危険性のモニターならびにクリアランスなしでタクシーを行わないこと - 自分の周りで何が起こっているかを把握すること
  • 状況認識を維持する
    • エリア内および地上にある他の航空機の位置関係について立体的な認識を持ち、それらが自身の判断にどのように影響するかを知っている
  • 決断は慎重に行うこと

よくある間違い

• 適切なチェックリストを適切に使用していない
• 飛行機の不適切な配置
• エンジン限界性能の不適切な受け入れ
• 飛行制御の不適切なチェック
• 離陸と緊急手順の見直しに失敗した場合の危険性
• 滑走路への進入を回避し、離陸位置に移動する前に他交通との衝突がないことを確認できない

完成基準

訓練生は、離陸前の正確で安全なチェックの内容を理解します。訓練生は飛行機が安全に飛行できるかどうか、危険と侵入の回避に注意するかどうかについて、有効な決定を下すことができます。

成功のポイント

本レッスンの各項目をレビューすること

離陸前のチェックは、離陸前に問題がないことを確認するために不可欠であり、正しいチェックリストを使用して安全かどうかを決定することが非常に重要です。 このチェック中、滑走路への誤進入や危険回避も非常に重要であり、無視しないでください。

レビュー

1. 他の航空機、表面の状態、風を考慮して飛行機を配置
2. コックピット内外の注意分割について
3. チェックリストに従い、各チェックリスト項目に応答することの重要性について
4. ランナップとテイクオフに適したエンジンの温度と圧力を確保する理由について
5. 飛行機が安全な動作状態にあることを決定するために使用される方法について
6. 離陸性能の対気速度、予想離陸距離、緊急手順を確認することの重要性について
7. 離陸エリアまたは経路に危険がないことを確認するために使用される方法について
8. 滑走路への進入を回避し、離陸位置までタキシングする前に他交通との衝突がないことを保証する方法について

参考資料

• FAA-H-8083-3
• FAA 8083-23
• POH/AFM