直進水平飛行、旋回中のエンジン故障
基礎知識
このレッスンでは、単一エンジンの操作に関連する要素の紹介をし、操縦士が計器類を参照して理解できるようになることを目標とします。計器飛行状態でのエンジン故障を適切かつ安全に制御する能力、そしてなにより機体を飛ばし、チェックリストをその次に扱うことの重要性を改めて強調します。エンジンの故障を管理し、航空機を制御することは、安全のために必要です。計器飛行状態でエンジンが故障した場合、無能な操縦士はそのまま死に直結する可能性が高いです。
計器飛行手順
- 確立:コントロール計器に対する姿勢/出力設定により、望ましいパフォーマンスを実現する
- 既知または計算済みの姿勢の変更と、出力概算の設定により、操縦負荷を軽減できる
- トリム – 舵の圧力が中和されるまで
- トリミングは、スムーズで正確な制御に不可欠で、一度設定すれば注意力のリソースをほかに回すことができる
- クロスチェック:目的のパフォーマンスが得られているかどうかを判断するためのパフォーマンス計器
- 見て解釈することも含まれる
- エラー/偏差が示される場合は、必要な修正の大きさと方向を決定する
- 調整:必要に応じて、制御計器の姿勢または出力設定を調整する
単一エンジンにおける操作
- エンジンの障害を認識し、制御を維持すること
- エンジンが故障した場合は、方向制御を維持するためにラダーとエルロンを使用する
- 動作中のエンジンに向かう1/2ボール状態(旋回釣合計のガラス管内の球による表示)を達成するために、約2~3度のバンク角度を加えロールとラダーのカウンターを当てつつ、ゼロサイドスリップの構成を確立する
- 機首方位維持のため2~3度のバンクとラダーの入力圧が確立された後は、計器上でゼロサイドスリップ状態を維持できているかを再確認し、必要によっては修正を加えること
- ゼロサイドスリップは航空機の飛行によって異なるが、1~3度のバンクと、1/2ボール分のラダーを動作中のエンジンに向けて接近させる必要がある
- エンジンが故障した場合は、方向制御を維持するためにラダーとエルロンを使用する
- これは計器によって厳密に行われる
計器によるゼロサイドスリップ状態
- 確立 - 姿勢指示器を使用して、必要に応じて出力を調整しつつ翼、機首を水平姿勢になるよう設定する
- トリム – コントロールの圧力を軽減するトリム
- クロスチェック
- 調整 – 必要に応じてパフォーマンスエラーを修正し、機体のトリム設定を再調整してから、もう一度クロスチェックすること
旋回飛行
- スキャンを続行する
- 必要に応じてバンク角度を追加
- 操作の「均衡のとれた調整」を維持すること(ゼロサイドスリップ状態)
- 高度を維持するためにピッチ姿勢を上げる
- 確立、トリム、クロスチェック、調整
エンジン動力喪失時の管理
- 有視界状態でエンジンの障害と同じ手順を用いること
- 出力全開
- 抗力の減少
- 識別
- 検証
- 修正またはフェザー(水平化)
- 操作不能エンジンを再始動する
- 計器スキャンにより注意を払い/機体の飛行を続ける
- 各ステップの間 – いったんとまり、ゼロサイドスリップ状態、針路、高度、エンジン計器類の指示を確認すること
よくある間違い
- 動作しないエンジンを認識できない
- 動作しないエンジンを不適切に識別し、検証する際の危険性について
- エンジンコントロールを適切に調整し、抗力を減らすことができない
- 動作不能エンジンに対するベストな対気速度を確立し、維持できない
- 所定のチェックリストに従わない
- 最適なパフォーマンスを得るための推奨飛行姿勢を確立および維持できない
- 飛行中の機体操縦を維持できない
- 航空機の運用制限を超える危険
- 基本的な計器飛行技術の欠陥
完成基準
操縦士は、計器飛行状態で、必要に応じてエンジンの故障を処理し、機体を操縦することができます。
成功のポイント
本レッスン内の各項目をレビューすること。
すべての流れにおいて飛行機を飛ばすのが最初!そして制御を維持すること!(スキャンを継続) チェックリストを焦って終わらせる必要は一切ない。
- 動作不能エンジンを識別し、検証するために使用する適切な方法について
- 計器を参照して、航空機に対して積極的な制御を維持する技術について
- 既存の条件を考慮した上で、高度又は最低降下率を維持する行動に関し、機体性能を正確に評価することの重要性について
参考資料
- FAA-H-8083-3
- POH/AFM
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